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「ちりうせぬ」句文懐紙

「ちりうせぬ」句文懐紙:画像

「ちりうせぬ」句文懐紙 一幅 紙本墨書 松尾芭蕉 筆 元禄二年(1689)〔句〕本館蔵

〔解読〕

印(不耐 )
むさし野は桜のうちに
うかれいでゝ白かはの
関はさなへにこえ、たけ
くまの松はあやめふく
比になむなりぬ

ちりうせぬ松は二木を
三月ごし
芭蕉庵桃青
(芭蕉・桃青)

 

〔解説〕
元禄二年、奥州武隈の松での吟。『おくのほそ道』には「桜より松は二木を三月越シ」の形が見えるが、推敲の過程で改めたもので、掲出句が初案であろう。門人挙白の『四季千句』(元禄二年刊)には初案で収める。挙白の餞別句「武隈の松みせ申せ遅桜」に応え、桜は散ってしまったが、散ることのない二本の松を江戸出立から三月越しにようやく見ることができた、との意で、初案の方が挙白の句意とよく照応している。

 

2026.01.18:[収蔵品案内]

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